総量規制で、借金問題は解決されない

こうして法改正に盛り込まれた総量規制ですが、施行された後はどうなのでしょうか。以前から総量規制に賛成し、実行を呼びかけていた人たちにとっては、やっと規制が行われるという気持ちかもしれません。しかしその目標であった多重債務者問題は解消されたのでしょうか。個人的な意見かもしれませんが、やはり総量規制によってそういった借金の問題を根本的に解決することはできないのではないかと考えます。
確かに総量規制によってむやみな貸し付けをすることができなくなり、金利の引き下げもあいまって、債務者の借金がふくらむことはなくなりました。その結果として自己破産やもっと悪い事態に追い込まれるといったケースは減ったかもしれません。しかし新たに借り入れができなくなると、それによって余所の返済に回そうと考えている債務者からすればいい迷惑だと思う人もいるのではないでしょうか。借金の理由は人それぞれですし、不景気の中で経済的困難が解消されることはしばらくないでしょう。債務者にとってお金が必要なのに総量規制のせいで借りられなくなった、だから業者に対して借金をチャラにしてほしいなどという話が通るでしょうか。法改正によって債務者を一定保護するという目的はありますが、借金総額を制限するだけで、それで借金そのものがなくなるわけではないのです。
法改正が施行されて数か月が経ち、個人向け貸金市場が大幅に縮小していることがわかってきました。それは総量規制の効果があったという証拠と言えるでしょう。しかし表面的に見える数字の奥で、一部の債務者はいっそう厳しい状況に追い込まれているのではないかと容易に想像できて胸が痛みます。もともと経済的に困っているから借金せざるを得ない所に制限がかかってしまったらどうすればよいのでしょうか。総量規制にはそういった問題も抱えているのです。

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